約 274,464 件
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/42.html
1スレ目 260 ええと、どうしてこんなことになっちゃったのか、今ひとつ分からないんだけど……。 確か珍しく荒れていた柴崎と部屋で一緒にお酒を飲む約束になって、缶ビールやらチューハイをコンビニで買い込んで飲み始めたまでは覚えているんだけど── どうしてあたしの上に柴崎が覆い被さってるのかは、さっぱり分からない。 「……柴崎?」 「前に言わなかった?あたし、あんたが男だったら惚れてたって」 そういわれれば、そんな会話をしたような──。 でもあたしはこれでも性別上は女なんだけど。 「あんたって見てると可愛くて仕方ないんだもん。あの人も手をつけないなら、あたしが先にツバつけてもいいわよね?」 あの人って?って、ちょっと待てっ! 「な、何触ってるのよっ!」 「まっ平らだけど、ちゃんと感じるのね。ますます可愛い」 「おいこらっ、人の話を──」 どうして身体に力が入らないんだろう。 柴崎相手なら絶対に負けないはずなのに。 うわっ、本当に何処触って──ダ、ダメだって、女同士でこんなこと──! っ、教官、助けて──……って、何でここで教官が出るのよっ!! 柴崎が酔っ払うと最悪に性質が悪いと知った夜の話。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/111.html
2スレ目 465 あの矢印がこちらに向いたらどんな感じだろう。 柴崎にとってそれは未知の物で、そして馬鹿馬鹿しいもので、けれどだからこそ憧れた。 あんな風にまっすぐに思われるのはどんな感じだろう。 滑稽なくらいに純粋に誰かを思うその先に、自分がいたらと想像するのはもう柴崎の癖のようなものだ。 あれが欲しい。あの人が、ではなくあの感情が。 だから彼女の恋はいつも歪んでいて、そして少々土臭かった。 「昔、堂上教官が少し好きだったのよ」 何で言おうと思ったか、多分言わなければならないと自分の中で何かが叫んだからだ。初めて夜を共にする相手にいきなりこんなことを言い出すのは違う気もしたが、言っておかなければならない気がしたのも本当だ。 言われた相手は柴崎の服をくつろげる手を止めて、真意を探るように目を合わせてきた。それをまっすぐ見つけ返して彼女はもう一度繰り返す。 「あの人が好きだったの」 自分の言葉に自分で納得するのが妙な感じだった。そうか。 あたし、堂上教官が好きだったんだ。 「笠原しか見てないから、堂上教官が好きだった。……軽蔑する?」 この聞き方は卑怯だと思いながら、それでも問わずに入られなかった。途中で止まったままの手塚の指が怖い。大事にすると言った彼がそのまま離れていってしまったら、そうしたらきっともう恋は出来ない。 「……いや」 先に目を逸らしたのは手塚だった。ふいと顔を背け、止まっていた右手を上げて柴崎の頭にそっと触れる。ぽんぽんと軽く二度叩くのは、今話題になっている上官が恋人を慰めるための手段だ。 「よく引っかからないでくれたと一正に感謝したい。心から」 その言葉に柴崎は思わず笑う。くすくすともれた声に釣られたように手塚が静かに唇を寄せてきた。 「……んっ」 「……本当に」 深くなるキスの隙間で、手塚が小さく何かを呟いた。至近距離だからこそ聞き取れたその言葉に柴崎は耳をすます。 「本当に、おまえ寂しかったんだな……」 よく頑張ったなと、まるきり見当違いの違いの誉め言葉に、けれど彼女の目に涙の膜が張られた。こらえようと眉間に力を入れかけて、そうだこいつの前ではこらえなくていいのだと思い出す。抵抗なく溢れた涙はそのまま柴崎のこめかみを通ってシーツに染みた。 目の前の彼が笠原に交際を申し込んだ時、なんだそりゃと呆れながらも少しだけ笠原を焚きつけた。揺れないと分かっていながら堂上にそれを告げて、動揺した隙に付け込んだ。 堂上の感情は翻らない、翻ったらきっと自分は落胆する、それでもとどこかで期待して、恐れて、あっけらかんと告げた好意は案の定あっけらかんと拒否された。 そして、柴崎はその拒絶に安堵した。 堂上を軽蔑せずにすんで、思えばもう気を許していた笠原を傷つけずにすんだから。 それでも胸が痛かったのは、きっと本当に自分が堂上に恋をしていたからだ。 それがどれだけ間違っていても、それでも恋は恋だ。 「……ん、ぅ」 そろそろと触れてくる指と唇に逆に焦らされながら柴崎はひたすら泣き続ける。ふるふると頭を振れば髪と一緒に涙が散った。泣くなとどこか困ったように目じりを拭う手を逆に捕まえて、柴崎は自分の上にいる手塚を見上げる。ねえ、とあげた声は興奮と羞恥に濡れていた。 「壊れないわよ」 「けど、おまえ」 「いいから」 それでもそっと扱うのをやめない指に、柴崎はだから、と語気を強めた。 「じれったくて死にそうだって言ってんの」 手塚が息を呑んで押し黙り、次の瞬間には先ほどとは打って変わった強さで抱きしめてくる。ようやく手加減なく触れてきた肌に声を上げながら柴崎は身をよじらせた。 耳元で自分を呼ぶ彼の声にさらに涙が散った。 ずっとこれが欲しかったのだ。 この感情が、ではなくこの人が。 自分を大事にしてくれる、自分の大事な人が。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/50.html
1スレ目 327 牛乳に相談だ 郁がごくごくと牛乳を飲んでいた。 「アンタ、風呂上がりにいっつも飲んでるわよねー」 呆れ顔の柴崎に 「いいじゃん!別に」 と郁が言い返す。 「駄目とは言わないけど・・・ もしかしてアレ?牛乳飲んだら胸が大きくなるってやつ」 「うるせーわよ」 それでも牛乳を飲んでいる郁に、柴崎はふと思い付いたように呟いた。 「アンタ・・・まさかいつも牛乳飲んでるからそんなに身長伸びたんじゃ・・・・・・?」 「・・・・・・」 夜は更けていく。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/62.html
1スレ目 464 煮え切らない手塚をいたぶるため柴崎トラップ 「今度任務で体使うかも知れないから、リハビリに付き合って」 「ちょ、体張るのか?でも、なんで俺!?」 とガクブルな手塚、 しかし、じゃあ別なひとにと言われたくなくて呼び出しに応じる。 実はギリギリまで許しても、いろいろあって結果的に最後の一線は守ってた柴崎、 体を張ることに抵抗はなかったけど 「任務で初体験使いましたってのもあんまり情けないかなと思って」 この際手塚とやってみようかと思った。 思いっきり慣れた感じの柴崎に手塚負けじと見えはってプレイに入る。 まあ手と口は上手かったと言うことで。 でも実際行為にはいるとさすがに多少の違和感。 「指はいんないんですけど」 云々。 「ああ、あたし不感症っぽいのよね。いいでしょその方が、感じまくってたら任務なんかやってらんないじゃないの」 てことでいざ入れてみたらなんやしらん凄かったと。 手塚まっしぐら状態で。 しかし柴崎 「ちょ、おま、エキサイトしすぎ、ぶっちゃけ超激痛!」 しかし意地で弱みは見せない。 すごく我慢してるのが握った手とかで解るんだけど、意地でもその手を首に絡めたりしてこないので手塚むくれる。 じゃあ、つかまらないではおれなくしてやろう、と手塚起立。 激しく上下運動。鬼畜(w)の所業。 柴崎気絶。 あとで流血に気づいてガクブルの手塚 「お前、だったら言っとけ。なんでこんな美人が今まで、ありえねー」 「ちょっとした行き違いで出来ないことが続いて。でも、あんまり続くと、そこまで必死になってやるほど好きな相手でもないなーとか気づいて、やめたの」 と告白。 じゃあ、俺はその貴重品をもらうだけの気持ちは持たれてるのかとほっとする手塚。 「今まで守れてたんだったらじゃあ今からも絶対寸止めしろ、任務で体を使うな、俺が泣く」 と無茶を言う。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/64.html
1スレ目 481 『惚れた弱味』 「なんかさー……柴崎と手塚って出来ちゃった婚とかしそう」 珍しく休憩時間の重なった郁と柴崎での昼食。 いきなりの郁の言葉に堪え切れず柴崎が咳き込む。 「手塚って意外と恋愛偏差値低いからさー、柴崎も気を付けなきゃダメだよ」 重大発言など気にせず呑気に言う郁に水を飲みなんとかむせてしまったのを落ち着かせる柴崎。 「あり得ない。ヤツにそんな度胸ないし」 「度胸とかじゃなくてさ……ほら、たまたまとか…」 「第一、あんたあたしが勝手にそんなことした男を許すと思う?」 もし手塚が避妊しなかったら……。 柴崎麻子という女は許すわけがないだろうことは容易に想像がつく。 郁は素直に納得した。 「……って話をしてたのよ」 情事の後、気怠げにサイドテーブルのミネラルウォーターを飲みながら何気なく告げた柴崎。 相手は勿論手塚。 「どうせ小牧一正辺りが言ってたんだろ」 「あながち間違ってもないけどねー、あんた最近ゴムしてないし」 気付いてたのか。 まあ、当然といえば当然だが……恥じらいをもってくれ… あっさりとした柴崎の言葉にそう思ったのは手塚だけではないはずだ。 多少は慣れたもののなまじ美人なだけにダメージが大きすぎる。 手塚は無言で脱がせた服を手渡した。 「あ、そうそう。明日付き合いなさいよ?」 「は?」 「7 30にロビーね」 何がなんだかわからない。 柴崎が唐突なのはいつものことだがいきなりすぎる。 「あながち間違ってもないって言ったでしょ。勿論……一緒に行ってくれるわよね、お父さん?」 更に告げられた言葉に手塚の思考回路が止まる。 面白がる柴崎は言い訳のように未だ回復しない手塚の耳元で付け加えた。 《同意なら出来ちゃった婚もありよね?》 逆らうことなど出来るはずがない。 これはやっぱり惚れた弱味なんだろう。 手塚は未だ笑い続ける柴崎を優しく抱き締めた。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/67.html
1スレ目 554-562 「郁……」 甘い声が耳もとをくすぐる。 「し…柴崎、ねぇちょっと待ってって……」 あんまりに突然のルームメイトの豹変に、郁は焦って、密着していた柴崎の両肩をかるく押し返す形で抵抗した。 それでも、豊かなムネの感触は充分すぎるほどの存在感で。 ぐるぐると混乱する頭の中で、抑えがたい欲望が沸き起こってしまうのを認めざるを得なかった。 きっかけはほんの数分前のこと。 明日のデートの後に初めてのお泊りを控えた郁は、未知の体験になんとか覚悟を決めたもののやっぱりどうしてもどうしても不安がぬぐえず。 「ねぇ、下着はこのセットでいーかな?こっちは頑張りすぎな感じだし、かといってこれはそっけなさすぎで、教官のやる気を削いでもアレだし!!!」 と、下着の相談から入って、ついでにアレコレ初めての心得的なアドバイスを同室の柴崎から聞き出そうとした、…つもりだったのだけど。 ねぇ?あたしのものになりなさいよ。―――あんたが男ならあんたと付き合う――― 本気よ。 男じゃなくっても、別に良いか。って。 箍が外れてしまったんだから、もう仕方がないじゃない。 胸の奥が疼く。 このカタチの良い自慢のバストが、て冗談じゃなくて。 下着の相談をふられた柴崎は、一瞬真顔になった。 それから、ほんの少し傷ついた表情を浮かべたように見えたが、それは郁の気のせいだったかもしれない。 「明日は祝☆初体験、てわけねー」 パックをはがしてマッサージしていた手を休め、柴崎はからかうように言葉を返した。 「ちょ……やめてよ柴崎オヤジくさいなぁ」 「わざとよ。じゃ、万全を期して練習でもしときますか」 「………はっ?!」 郁が反論する間もなく、ふんわりと甘やかな香りが近づき、そして。 ――――そして状況は冒頭に戻る。 「教官はどんなふうにキスするの?」 5センチの距離で、芝崎が郁の目線を捉える。 この距離で彼女に見つめられて落ちなかったオトコなんていないのだけど、 それが純情乙女・茨城県産にも通じるのかどうかは別問題。 「どう、って……」 まじめに答えようとするなバカ。 照れてそらした顔が可愛いとか思ってしまうじゃない。 赤くなった顔は、堂上教官のことを思い出してるから? それとも。あたしとこうやって見つめあってるから、だと、ちょっとは期待してもいいのかしら。 女子寮の二人部屋。邪魔なんてさせない。 誰も、邪魔なんて出来ない。 「……んっっ…」 柴崎は、郁の唇を塞いだ。 「真面目に答えよーとしなくていいっつの」 それだけ言って、答える間を与えずにまた唇を合わせる。 眉根を寄せる郁も、拒もうとはしなかった。 力ならこの子の方がある。 嫌だったらすぐに拒めるはず。 しっとりと湿った舌で郁の歯列を探り、その奥の舌を絡めとる。 ふ、うっ……ん…っ 柴崎が唇と舌を使う合間に、小さな声が漏れた。 冷たかった唇は、互いの熱を移しあう。 甘い。可愛い。 (ずるい。やっぱりこんな郁、あの人に独り占めなんてさせてやらない――) 「やめっ…しばさ…は、ぁっ…」 「嫌なの?」 長い口づけの後、不意に真顔になって聞いた柴崎に郁は口ごもりつつ答えた。 「嫌っていうか、こんな……女同士だし。その…いくら柴崎でも、やっぱ変な気分になっちゃうし」 (なってよ。いくらでも。あたし相手じゃそんな気分になりたくないって?) そんな焦れた気分は、敢えて押し隠す。 だってそんなの自分らしくない。 「いーでしょ、べつに」 わざと軽く答えて、柴崎はにっこりと笑って見せた。 「女同士だし。気にすることじゃないわよ」 「そ…れは、ちょっと違う気が……」 「なーにー?あんたのダーリンはオンナノコ同士のコミュニケーションにまで口出しする野暮な男なわけ?」 「こ…みゅにけーしょん、なのかな…?」 「そーそー」 深く考えなさんな、と、柴崎はもう一度郁の身体にぴったり寄り添った。 彼女の耳もとでささやく。 自分の声が、とびきり甘く響くことを願いながら。 「気持ち良かったらいいじゃない――」 あたしのものになって。 今晩だけでいいから。 明日は、初めてのお泊りだなんて、そんな嬉し恥ずかしな告白、聞かされるこっちの身にもなってよ。 せめて、あの人が触れる前に触れさせて。 だってずっと一番近くにいたのはあたしだもの。 勝手な言い分だということは判ってる。 だけど止められない。仕方ないじゃない。 何度も深く唇を重ねあう。 次第に、ふたりの吐息が混ざり合う。 「んっ……」 苦しげな甘い声は、自分のものか彼女のものか、もう判然としない。 自然と、郁の腕も柴崎の背に廻されていた。 柴崎は郁の背に腕をまわしてブラのホックを探った。 一緒に選んだ、うすい若草色の爽やかな花柄。 ほんの少しだけレースのついた下着。 堂上教官より先にあたしが外させて頂きます。 「ね。練習よ練習。いいでしょ?」 腰から崩れるようによこたわった郁を見下ろす形で、柴崎は床に手をついた。 潤んだ目で見あげる郁の顔には、さらりと零れる柴崎の髪が影を落としていた。 否、とも諾、とも言わない。 戸惑いを浮かべた表情。 だけど、拒まれてはいない。 高潮した頬は、戸惑いながらもたしかに興奮と期待を告げている。 ブラをそっと押し上げて外す。 その下のやわらかな膨らみを弄られ、郁はビクンと身体を震わせた。 「…ぃ…やぁ……っ」 「嫌?気持ちいいでしょ」 少年のようにすっきりとやせた胸は、それでも触れば張りのある弾力を感じる。 郁の部屋着をたくし上げ、柴崎は桃色の先端を口に含んだ。 声にならない喘ぎを聞きながら、ゆっくりと舌を遣う。 為すがままにされている郁の吐息が、次第に苦しげに途切れがちになる。 オンナだから。 どこをどう触られたら「イイ」かなんて、よく分かっている。 (あの人より気持ち良くさせてあげる――) 柴崎は、自分が羽織っていたワンピースタイプの部屋着も、ボタンを外して肩口から大きくひろげてすべり落とした。 「ね。あたしのも外して?」 郁の上に覆いかぶさった体勢のまま柴崎がそう言うと、言われるがまま下から手を伸ばし、 郁は戸惑いがちに柴崎のブラを探った。 ……裸体くらい、いつもお互いに見ているはずなのに。 ほの白くきめ細かい肌をぎこちない手つきで撫で、豊かな胸の質量を感じながら、郁はその冷たい肌が次第に熱を帯びるのを知った。 体温を感じながら、きつく抱き合って口づける。 誰と付き合って、誰に抱かれても、こんな幸せを感じた事はなかった気がした。 柴崎が下腹部をまさぐると怯えたように郁の腿がこわばった。 初めてなのだから、順当な反応。 「……脚をゆるめて。怖くないから。」 そっと、腿の外側をなぜる。 「痛くするまではしないわ。練習だし。ね?信用して。」 初めてのときに自分が言って欲しかった言葉を、郁に言ってあげられる事が何だか嬉しかった。 この行為が練習なんてものじゃないことは、もうお互いに判っているはずだったけれど。 は……、ぁ… 柴崎の行為を探るように息を詰めている郁の其処に細い指を沈めると、 温かくぬるりとした感触が伝わる。 と、初めて他人に秘所を許した郁は、 「ひ…ぁあっ……やぁ…――」 泣き声ともつかない喘ぎをもらして身を捩った。 その声で、もう止まらなくなる。 「これ以上奥には挿れないから、大丈夫よ」 水音をわざと立てながら、柴崎は感じ易い部分を優しく何度も掬い上げた。 ひきつった高い音で、郁の喉が震える。 「……はぁっ、ひ…あ…あんっ……あぁ…」 柴崎の指の動きに合わせて上下する胸を愛撫すると、いやいやをするように、更に郁が身を捩る。 (や…もう、ガマンできない……っ…) もっとゆっくり郁を気持ちよくさせる筈だったのに、こんなにすぐ焦れてしまうなんて。 柴崎は性急に郁の両脚を割って腰をおとした。 自分の濡れた部分を、熱くなった郁のおなじ場所に密着させ、 「…あぁん……」 思わず声を洩らし、柴崎はきゅっと眉をひそめる。 抱かれる時にはいつも、「サービス」として心掛けていた喘ぎ声だけど。 細く括れた腰を、ゆっくりとこね回すように擦り付ける。 硬くなった敏感な芯が刺激されると、痛みとも快感ともつかない電流が、 郁の身体中に走っていく。 とろりと熱い蜜が混ざり合ってふたりの脚を伝っていった。 っ、あぁ、んぅっ……ん、ふ…ぁっ 柴崎が巧みに腰を遣うたび、快楽に抗いきれないように郁が小刻みに震える。 すらりと伸びた健康な腕が白い華奢な背に縋って爪を立てた。 力加減も忘れて喘ぐ郁の姿が更に柴崎の興奮を掻き立てる。 どこかたりない。 もどかしい。 痛みのない、快楽だけの、行為。 どうしようもないもどかしさが、余計に刹那の悦楽を増す。 やがて、自身が蕩けそうな瞬間を迎え、柴崎は淫靡な音を立てながら郁の上で激しく腰を震わせ、つよく打ちつけた。 「ゃ…あっ、し…ばさ…っ、あたし、もう…だめッ―――」 郁のその声を合図にするように、ふたりは同時に達した。 荒い呼吸がおさまるまで絡みあったままベッドに横たわる。 ふぅっと大きく息をついてようやくぼんやりと目を開いた郁と、一呼吸遅れて目を開けた柴崎の視線が合った。 「ぁあ――――……大好きよ、郁」 やっと言えた。 何度も心の中では言っていた言葉。 たったひとこと、どうしても口に出せなかった言葉。 ―――あんたのことが大好きよ、笠原――― 「使用済み」となってしまったおろしたての下着は洗濯に回されて、次の日ぼんやりしたまま郁はチェストの中に豊富にある、色気のカケラない(けど、とんでもなく彼女らしい)スポブラをつけて出て行った。 気付いたけど、言ってあげない。 せいぜい動揺していてよ。ね。 そのくらいの意地悪、許してね?
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/122.html
2スレ目 720-721 手塚は上官の堂上の部屋で小牧と三人で酒を飲みながらこれからの自分達に必要な事を 熱く語り合っていた。上官の昔の体験や教訓などを教えてもらえるよい機会なのだ。 ふと空になったビールの缶の数を見て、お互い持ち込んだビールがそろそろ足りないことに気付いた 「自分が買いに行きます、つまみはまだ大丈夫ですか?」 「お、すまんな、つまみならまだ大丈夫そうだ」 「同じ銘柄でよろしくね~」 上官の部屋を出て、ほろ酔いで機嫌よく歩いていると共同区間のスペースのテーブルで のんびりと、雑誌を読む柴崎を見つけた。 「よう」 「あら、今日は教官達と飲み会?楽しそうでいいこと」 「そんなに顔に出てるか?そんなに飲んでないが」 「目の周りが赤いしちょっと潤んでる、眼福だわ~」 そんな事をさらりと言うあたりが柴崎らしいが、どう見てもからかわれているとしか思えない。 何か言い返そうと思うが酒が入っている為、上手く考えもまとまらない。 いや酒が入っていなくても上手く返せない。面白くない…いつもこうだ。 突然柴崎の携帯電話からメロディが流れる。彼女はすばやくディスプレイを確認し フリップを開く 「ちょっとごめん」 手塚に軽く謝り電話に出た。 「久しぶり。元気にしとった~?うん私も元気やよ。そっちはどう、もう雪降ったん?」 柴崎の言葉がいつもと違う。 一瞬手塚は驚いて柴崎の顔をまじまじと見た 内容はさておき言葉のイントネーションだ。聞きなれない語尾に発音。 自分の見たことの無い柴崎がここに座って知らない言葉で会話をしている。 言葉が違うのでいつも程クールに感じにくい。 面白いので柴崎の言葉に耳を傾け、いつの間にか横に座っていた。 「年末の休みになったら、そっちに帰るしご飯でも食べに行こうね。久しぶりに、お刺身食べたいー」 と言い電話を切った柴崎は真っ先に 「人の電話に耳を傾けるなんて、マナー違反よ」 「聞きなれない言葉が面白かっただけだ、内容まであまり聞いていない」 「地元の友人に標準語で話すと、あんまり良く思われないのよ。金沢って田舎だから 東京に憧れもあるけど、その分自分の地域に変にプライドみたいのを持っているからタチが悪いのよ」 方言を話す所を聞かれたせいか、どこか照れたように言う柴崎を見てちょっと可愛いと思った。 今日は面白いものを見れてよかった。 知っているつもりでいた柴崎の、知らない部分を見ることができた。 自販機の前で金沢訛りの柴崎の言葉を思い出しながら。ビールを6本買う 今度、この事でからかってみたくなったが、きっと3倍…いやそれ以上に自分が嫌がりそうな 兄のネタで返り討ちにあうのでやめておこう。 きっと、いくつも持っているのだろう…。想像しただけで襟足が寒くなった。 さて上官達がビールを待っている。早く戻ろう。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/117.html
2スレ目 653-654 柴崎があともう少しで終わってしまう独身生活を楽しんでいたころ。 ようやく順番が回ってきた柴崎の一人部屋に泣きべそかいた郁が転がり込 んできた。 「で、何があったわけ?」 コタツで向かい合った郁にお茶をいれて自分は缶ビールを開けた柴崎が聞いた。 「篤さんが、篤さんが…、口でしろって…」 口で何を?と聞こうとしたが柴崎だけにすぐに察しはついた。 「あー、フェラチオ」 コタツの天板に頬杖ついたまま事もなげにサラッと言われて郁が絶句する。 いいのか?素人娘が口走っていいのか!?顔を真っ赤にした郁が金魚のように 口をパクパクさせても言葉が出てこない。 「してあげればいいじゃない。堂上教官だってしてくれるでしょうが」 それはそうだ。他と比較し洋にも経験はないがいつも前戯はしてくれるし、 がっついて挿入なんてことは絶対ない。もちろん舌でも…。 「で!でも!男と女じ…」 ついてるものが違うと言おうとして言葉が止まった。もしかして、むしろ、女 の方がバッチイのか?と考えてしまう。篤さんだけ不公平だった? 半ベソで泣きついて勝手に自分の中で解決してれば世話がない。 「ま、今晩は気まずいだろうから泊まっていいけど、明日には仲直りすることね」 郁がこくんとうなずいた。素朴なだけに、こういう仕草は子供っぽい。 「で?口でしてあげるの?すごく喜ぶんじゃない」 柴崎の顔にニヤニヤ笑いが浮かんでいる。 このニヤニヤ笑いは郁にはよくないサインだ。絶対に内心面白がっている。それでも しばらく考えた後、素直にうなづいてしまう自分の性格を郁は呪った。 「でもさ、気を付けることね。口を許すと次はお尻だから」 お尻とは何ぞや?純粋培養茨木県産も最近はその手の知恵がついてきた。 アナルセックス!と叫んでしまいそうになってあわてて声を飲み込んだ。 「ま、まさか手塚って!」 「一般論よ!」 とっさに否定した柴崎が珍しく動揺していた。絶対やってる!こいつらお尻で! 「ささ!ベッドは使っていいから」 柴崎はこれ以上追及されないうちに郁をベットに追いやった。郁だってこれ以上 踏み込んで詮索できない。いいのか?素人がそんな!? 「あのさ、柴崎…」 ベッドのカーテンを閉めようとする柴崎に布団で鼻から下の顔半分を隠した郁が 言った。もじもじして耳まで赤くなっている。 「精子って口の中で動いたりしない?」 一瞬キョトンとした柴崎の顔がみるみる赤くなっていく。柔らかそうな頬がプッと 膨れた。キュウキュウと苦しそうに笑いを堪えていた柴崎がついに盛大に吹きだした。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/47.html
1スレ目 292-297 ひとりじめ 「キスくらいしたことあるもん」 いささか呂律の回らない口調で、郁が拗ねたように言った。 「どうせ女の子とでしょ」 「何でわかったの?」 恋愛経験が中学時代で終っていてしかも玉砕専門、そしてこの容姿とくれば、相手の想像はそれほど難くない。 「いいの。女の子はノーカウントってそのとき決めたから」 ノーカウントねぇ、柴崎はぷいっと横を向いて缶に口を付けている郁の横顔を見つめた。 恥じらいのせいかアルコールのせいか、日焼けした頬はうっすらと上気している。 缶をテーブルの上に置いて、小さく息を吐く唇が濡れている。 向かいに座る郁の横にすっと身体を移し顔を郁に近づけて、その愛らしい唇にキスをする。 「んっ」 「ノーカウント、でしょ?」 「……柴崎酔ってるの?」 「そ、酔ってるの。あたし」 困ったような顔をする笠原をもっと困らせたくなって、もう一度唇を寄せた。 舌でなぞるように舐めた唇は甘い味がして、味がしなくなるまで舐めつくした。 「ちょっと、柴崎」 笠原にもたれるように身体を上から預けると、優しい笠原はゆっくりと押し倒されてくれた。 喋れないように舌を入れそっと絡めると、逃げることもできずにあたしのされるがままになる。 ああ本当に慣れてないのだなと思うと、たまらなく愛しい。 「ぁんんっ」 そんな声聞くのは、きっとあたしが初めてよね。 あの人も聞いたことがない声。 唇を離すと、潤んだ目を見開いてあたしを見上げた。 「なにすんのよ」 「いや?」 「困る」 「ね、知ってる?胸って揉むと大きくなるって」 「デマでしょ?」 「そうでもないらしいわよ。彼氏できてAからBになったコ、いるわよ」 「まじで」 もう簡単に食いついてこないでよ、単純なんだから。 そういうところがかわいいんだけど。 服の上からささやかな胸に触れると、かちんと身体が硬くなった。 「リラックスして。あら、結構あるじゃない」 「そう?」 無防備に嬉しそうな顔見せるんじゃないの。状況わかってる?笠原。 あんた、今、あたしに押し倒されてるのよ? ゆっくり揉むと、くすぐったそうに身をよじる。 「くすっぐったいよ。柴崎」 くすくす笑いながら逃げようとするので、上衣のすそから手を入れて、色気のないスポブラを押し上げる。 「手ぇ冷たいってば」 「直接触ったほうがくすぐったくないのよ」 柔らかな布地の下で郁の胸を包みこむようにして揉んでいくうちに、郁の表情がとろりとしたものへと移ろいでいく。 そろそろいいかな、と胸の頂を指で弄るとピクンと背すじが小さくはねた。 「んんンッ」 まだ他の誰も知らない、そんな表情。 あたしだけしか知らない、そんな声。 そう遠くない未来に、それはあの人だけのものになるんだろうけど。 今は、今だけはあたしだけの。 ウエストの緩いルームウェアのパンツの中にそっと指を忍ばせた。 下着の上からそっと触れると、指先に湿り気を感じた。 「ん……そこは……だめだってば」 もう一度唇を合わせて、言葉を封じる。 だめって言っても、笠原は力尽くで逃げようとはしなかった。 腕力でこの子にあたしが勝てるわけがないのだけれど。 本気で「嫌」って言われたら、あたしはその言葉に抗えない。 ねぇ、笠原。どこまで、あたしを受け入れてくれる? 失いたくないと思う反面で試したくなるのよ。 悪いクセだとわかってる。 だいすき、なの。あんたが。 上下に動かしていた指を下着の横から入れると、そこは既にとろりと濡れていた。 「ぅひゃっ……ぁんん」 中に指を入れた。仕事柄爪は短く整えているが、むやみに傷をつけないよう丁寧に優しく指を動かす。 「んん……だめだって……ば…柴崎ぃ」 「自分でしたことないわけじゃないでしょ?」 そういって羞恥を煽ると、口をつぐんでしまう純粋さが眩しくて愛しくて、たまらない。 卑猥な水音が、笠原の甘い吐息が、耳に心地よく響く。 指をもう1本増やした。 「あ…ん…ああんんッ」 酔いも手伝ってか、軽く達した笠原は瞼を伏せたまま意識を飛ばしてしまった。 粘液に塗れた指を服を汚さないように出し、外気に触れ乾く前に、自分の秘所にそっと入れる。 そこは既にたっぷりと濡れていて、指をすんなりと受け入れた。 まだ、笠原のぬくもりが残っている気がする。 笠原のものと自分のものをくちゅくちゅと混ぜる。 律動する指は次第に動きを速く大きくし、それが生み出す快楽に満たされる。 「ぁっんん………っ」 「さっさと起きないと、朝メシ食いッぱぐれるわよ」 いつもとかわらない柴崎の声に郁は目を覚ますと、床の上で布団をかぶって寝ていたことに気づく。 「おはよ」 「おはよう、笠原。さっさと顔洗っていらっしゃい」 いつもとなにもかわらない朝。 だから、きっとあれは夢。 ――――ってあたしってばなんて夢みてんのよっ!欲求不満かっっつーのッ!!
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/65.html
1スレ目 532-537 その1 「まだ、少し先の話」(革命直前くらいの時系列で) 館内に鳴り響く警報音。 その直後に発せられる防衛部からの警告。 「良化特務機関が当館周辺に展開中!館内に残っている利用者は…」 既に何度か聞いている音ではあるが、耳に入るたびに神経が引き締まる。 今回の彼らの狙いはなんだ? 前情報をまったく受け取っていない状況下で、柴崎麻子は考えを巡らせる。 彼女は既に、水面下で動き出している情報部の一員であり、良化委員会のおおよその動きはあるスジからの情報などで事前に知っていることもある。 しかし、今回の襲撃内容については、何一つとして情報が廻って来ては居なかった。 暫くカウンター内で逡巡してはいたが、このままではもう既に始まっている小競り合いに巻き込まれないとも限らない。 何もしないまま避難するのも情報部としては少々癪に障るが、上司から言われたとおりに端末をロックすると、逃げ道を確保するために走り出す。 しかし、彼女は知らなかった。 それが、彼女を捕らえるための蜘蛛の糸への誘導に過ぎなかったことを。 柴崎は走った。 図書館業務部員が避難する場所は決まっているが、その前に行きたい場所があった。 そちらへ向おうと矛先を変えた矢先。目の前に立ちはだかった人物が居た。 着ている布の色は、グレー。味方である防衛部が着る防護服の色とは異なる色。それが、敵である証拠とも言えた。――良化隊員だ。 銃を突きつけられたまま、息を飲んで相手の出方を見る。 内心身震いする一方で、そんな不安を微塵に出さずに、柴崎は良化隊員を睨みつける。 「そこ、どいてくれない?」 震えの無い声で、柴崎が問う。無表情すぎる声は、逆に彼女の不安を醸しだしているかのようだ。 「柴崎麻子図書士長だな?」 違い無いフルネームと階級で呼ばれる。それを柴崎は驚きもせずに受け止める。 「だったらどうだっていうのかしら」 自分が、秘密裏に動き出している情報部の一員であることは、既に良化委員会の知るところなのだろう。 このまま、人質として攫われるのも覚悟しておかねばならないかもしれない。 そんな考えが脳裏をかすめた刹那、 「一緒に来い」 良化隊員はそう言うと手荒に柴崎の腕を掴んで、半ば引き摺るように彼女を連れ去っていった。 「柴崎が居ない!?」 交戦中の防衛部隊にその情報が飛び込んできたのは、既に小競り合いから本格的な戦闘に入ってからだった。 業務部員が避難する場所に柴崎の姿が無いことに気がついた二正が、防衛部員に連絡を寄越してきたのだ。 「どうして柴崎が避難してないの!」 インカムで郁の叫ぶ声が、防衛部員全ての耳を劈いた。 もちろん、手塚の耳にも。 「状況は判らん。しかし、カウンターから出て行く姿を確認している。その後の消息は不明!」 柴崎の上司である二正の言葉に、郁は反射的に叫ぶ。 「それじゃあなんの情報にもならないでしょ!」 「黙れ、笠原!」 柴崎の消息を心配しての郁の怒声に、更に堂上の怒号が重なる。 「今は戦闘に集中しろ!……二正、謝罪は後でさせてくれ」 郁に叱咤を飛ばした後、堂上は二正にそう伝えた。 柴崎を心配しているのは郁だけではないのだ。そう言外に残して。 カウンターからは出ている。その後の消息は不明。 手塚は思考をフル回転させていた。 カウンターから出て、柴崎が最初に向かう場所。アイツのことだ、大人しく避難するとは思えない。 何らかの情報を得るために動かないとも限らん。情報を得るために、アイツが行きそうな場所は、どこだ。端末は全てロックされているこの状況で、アイツが向う場所。 思いを巡らせる手塚の脳裏に、兄である手塚慧の言葉が浮かぶ。 どんな状況下でも生きている端末が、一つだけある。 手塚慧は、いつだったかそんな話を弟にしたことがある。 情報部が持っているサーバー室の端末が、唯一戦闘下でも生きている端末だと。 たとえ武蔵野第一図書館が戦闘中であっても、他の図書館は平常通り開架している。 図書情報を開示するには、一つでもアクセス可能な端末を生かしておかなければならない―――。 「……そこか?!」 誰にも悟られないような音量で独りごちると、手塚は弾の雨降る中を走り出した。 「どこ行くの、手塚っ!」 「お前はそこで応戦してくれ!」 バディを組んでいた郁が叫ぶ声に、振り返らずに返事をする。 郁はその言葉とおり、手塚の向う先に居る敵にプレッシャーを与えるため砲火する。 いつの間にか、撃手としても腕を上げた郁を信頼して、手塚は走った。